「舞台の家」のオープンハウス②

オープンハウスの2日めは私一人で対応だったため少人数制とさせていただきました。午前中にお施主様が二人のお子様達といらっしゃり、とても賑やかに。子供達は回遊性のある動線をとにかくぐるぐる走る!

 
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将来の子供部屋にて子供達が大はしゃぎ。うちの子も仲良くなって大音量。こうやってこのお部屋でたくさん遊んでくれるのかな。と思うととても嬉しいです。このお部屋は将来2つの部屋にくぎれるよう、窓、クローゼット等全て二つずつ揃っています。この部屋に関しては別の投稿にて紹介しようと思います。

 
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やっぱり外は気持ちがいいですね。子供達は気持ちのいいことを直感的に感じて行動に移してくれるので気がついたたらデッキの上でゴロン。とにかく楽しくて楽しくて仕方のない様子!

 
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お菓子は出ませんよー!!!!うちの子が堂々とお施主様の新品のセブンチェアに座っています。オープンハウスでは模型や図面もおいて設計関係の方々とも情報を共有したり、これから家を建てたいとお考えの方に設計のプロセスなどもご紹介できるようにいたしました。

 
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2階の窓から下のリビングをずーっと楽しそうに眺めていたこちらの二人。とっても印象的でした。

 
 
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オープンハウスではいろいろな方に来ていただき、たくさんの方とお話をさせていただき、とても充実した時間を過ごすことができました。来てくださった方、行きたかったけど来れなかった方、弊社の建築をいつも応援してくださる方、みなさまに感謝の気持ちをお伝えいたします。ありがとうございます!これからもお施主様のライフスタイルにあったオンリーワンの気持ちのいい建築を作り続けていきたいと思います!

「舞台の家」のオープンハウス①

「舞台の家」のオープンハウス初日は天気に恵まれず雨でした。しかし、台風直撃するかと思われた中、晴れ女でいらっしゃるお施主様の威力が発揮されたのか、小雨で済んだのは奇跡です。ポツポツ降る雨の日の「舞台の家」は塀が濡れ色となり、落ち着いた雰囲気でみなさまをお出迎えしていました。

 
 
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オープンハウスの準備で前入りした2歳の息子君は、家に入るなり大きなリビングの空間に大興奮。直感的に舞台を感じたのか、大声でワー!ワー!と何度も叫び、そのあとは家中を走り回って、きゃっきゃっきゃ。そして、なぜかE&Yの高級ソファをベトベト触りまくる。旦那くんが必死に追いかけて、なんとかソファを汚さずセーフ。どんなにお行儀悪くても、お手伝いにきてくれた息子くんと私の仕事を全面サポートしてくれる旦那くんには感謝の気持ちでいっぱいですね。

 
 
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建築に対する審美眼を必死に磨くことになった前職の師匠、手塚貴晴さん、由比さんにもお越しいただきました。手塚建築研究所やアメリカの事務所で学んだことを自分なりに咀嚼して「まる・ち」の設計をしているので手塚夫妻に「よくできている!」と言われるとやっぱり嬉しいですね。手塚建築研究所のOBOGもたくさんいらしたので、手塚さんのパワフルトークが渦を巻いて自発的建築座談会となったため、手塚夫妻のことをご存知でいらっしゃらない方はかなりびっくりされたと思います。

 
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雨ではありましたが、多くの方にお越しいただきました。本当にありがたいです。その中にはたくさんのお子様もいらしたのですが、全くの純粋な心で建築を楽しむことのできる子供達がとても嬉しそうにニコニコ家の中を徘徊していたのがとても印象的でした。弊社のマスコットボーイも叫んだり、回遊性のある平面をクルクル走って、そして最終的にはE&Yの高級ソファをベトベト触って楽しんでいました。うーん・・・なぜそこかい???

 
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次の日はお施主様のお子様もいらしてほっこりするような写真がたくさん撮れたので、オープンハウスのご報告は次回のブログでもさせていただきます!

舞台の家、家具がはいりました!

今日は家具が搬入されました。E&Yのオリジナルソファと製作テーブルです。家具が入ると空間が一気に家らしくなりますね。ソファの生地はお施主様と相当悩みましたが、この色で大正解でした。また、製作テーブルは床材のオークと同材で全長2.4mあるのですが、大きくて気持ちがいいです。今週末のオープンハウスでソファとダイニングテーブルの入った状態でお披露目できるのかと思うと嬉しくて気持ちが高揚します。オープンハウスは家に興味のある方でしたらどなたでも見学可能です。一人でも多くの方に建築家と作る家を身近に感じていただくことを目標としておりますので、家を建てたいとお考えのご友人、お知り合い、とにかく家が好き!な方が周りにいらっしゃいましたら、是非情報を共有してください。弊社のnews欄に詳細は記載しております。

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夜の雰囲気をオープンハウスで見せられないのが残念です。照明設計にもかなりこだわりをもって一つ一つ丁寧に選んだので灯りがついた状態でも皆様にお見せしたかったです。ひたすら私が写真をとってブログに載せるしかないかな・・・

 
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1ヶ月後にはお施主様ファミリーがこの家に住んでいらっしゃるんですよね・・・建築家としてこの上ない喜びを感じております!より多くの方が建築家と一緒に自分のライフスタイルにあった家をつくれる世の中になりますように・・・

キッチンの引き出し

キッチンの引き出しの取手について、最近いろいろと思うことがあったので投稿いたします。

私の自邸では左下の写真のようにコの字の取手が各々の引き出しについています。下の図で行くと左。それはそれで素敵なのですが、たまに取手が邪魔と思う時もあり、現在工事中のH邸では取手をつけない仕様で進めております。引き出し扉の上端を斜めにすることで指を入れやすくするのが一般的な方法で下図の真ん中のようになるのですが、この一般的な方法にはとんでもない落とし穴があることに気がつきました。有効寸法が減るのです!青い部分が枠に追加されるため、下図の例だと295あった有効寸法が250にまで減ってしまいます。青い部分をつけない方法もありますが、そうなると引き出しの中が丸見え。うーん。

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キッチンヘビーユーザーの私としては4.5センチの有効高さの違いはかなり致命的であり、お施主様が料理をなさらない方ならまだしも、一般的なやり方を到底許容することはできず、最終的には右図(右下)の収まりで解決させました。少しお値段はアップいたしましたが、この方法だと取手金物もいらないし、中身も見えないし、有効高さを十分に確保できる!キッチンは毎日使う場所です。引き出し取手のあり方一つでさえも緊張感を持って設計をしなくてはいけないですね!

 
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外部照明器具

外構の照明器具は裏庭以外全て真鍮で揃えることにしました。真鍮は銅と亜鉛の合金で、経年変化で独特な風合いを見せてくれる金属です。竣工当初のピカピカの金色は段々とその輝きを失うのですが、その錆びていく過程、独特の風合いを是非お施主様にも楽しんで頂けたらと考えております。前面道路から見える雨晒しの壁にはこちらのブラケットが設置されます。小さい箱のような照明器具でとても可愛らしいです。

 
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玄関扉前の軒下部分にはこちらのブラケットが2台設置されます。シンプルなブラケットなので主張していないさり気なさが好きです。

 
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どちらもTAIGA LAMPの商品で納期は10ヶ月ほど。H邸が納期に余裕のあるプロジェクトで本当によかった・・・雨ざらしに設置できる照明って美しいのが本当にすくなくて大抵は船舶照明にする人が多いのではないでしょうか。船舶照明は大好きなのですが、H邸ではもう少しバリエーションを増やしたいと思い、TAIGAさんのブラケット照明を入れることにいたしました。デッキには船舶照明を2台、アプローチ部に1台床置き設置する予定です。こちらは楽天でもAmazonでも売っています。納期は数日。陽だまりの家でも使ったのですが、本当にかっこいいです。

 
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照明器具一つ一つにもこだわっています。室内も照明コンサルタントのEOSplusの御担当者に相談して、ありえないほど小さい器具などを入れています。室内照明についてはまた別投稿にてご紹介させていただきます。

屋根について

H邸の屋根はガルバリウム鋼板の立平ハゼ葺きです。契約時には屋根端部のたち下がりを可能な限り最小寸法にしたかったためシート防水を入れていたのですが、工務店からシート防水だと屋根端部の通気を塞がないと防水は保証できないと言われました。昨今の台風や大雨で過去物件の修理などが増え、「家を守る」「施主の生活を守る」「会社を守る」という意味でも保守的なスタンスをとらざるを得なくなっているとのこと。アフターもしっかり見てくださるという意気込みがあるからこそのありがたい方針だとは思うのですが、屋根端部の通気を塞ぐことはせっかく設けた壁と屋根の通気層の空気の出口がないという状態。暑い夏の日に通気層にて熱くなった空気の出口がない場合、ただ単にその層に暑い空気が溜まるだけ。そもそも通気層を設けない壁や屋根で建てる家もあるから、ある程度の断熱効果はあるとしてよしとすることもできたかもしれないけど、せっかく吹付断熱で断熱性と気密性を高める予定なのに、何か矛盾を感じてしまう。ということでものすごく悩みました。悩んだ結果、ガルバリウム鋼板の屋根に変更することにしました。

しかし、ガルバ屋根で一番気になるのが端部の見え方。端部はどうしてもシート防水の収まりと比べるとぼてっとしてしまう。可能な限りシンプルに見せたい。立ち下げの寸法や折り曲げの寸法、これは可能か、あれは可能か、と板金屋さんに何度も相談しました。立ち下げ寸法の50を縮めることはできなかったのですが、他において少しでもすっきり見せる方法にしていただくことになりました。ちなみに、板金の特徴を理解するという意味でも一番てっとり早いのが模型を作ること。何ができるか、どこから水が侵入しやすいかなど、直感的に理解できます。左が通常の折り方。右は今回の折り方。

 
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板金屋さんも実際の材料で小さな模型を作って、通常の折り方と今回の折り方の違いを見せてくれました。面倒臭い工程が増えるのを承知ですべての接合部においてこの折り方を快諾してくれた板金屋さんには感謝しかありません。建築家の思いを汲み取ってくれる素晴らしい職人さんでした。

 
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そして実際の施工はこちら。ほんの少しの違いかもしれないのですが、このような、どうでもいいんじゃない?と思われるような小さなこだわりが積み重なっていい建築ができると信じています。現場はお盆でも外壁塗装工事を進めています。

 
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H邸現場進捗写真

H邸の現場が順調に進んでおります。ミリ単位の細かい指示までその通りに施工してくださっている腕のいい大工さん、そして私のお願いするとてつもなく面倒臭い要求を理解して管理してくださっている監督には感謝の気持ちしかありません。写真は昨日の現場の様子です。外壁は雨続きで進みが遅いのですが、下塗りは完了していました。下の写真は玄関ドア前のアプローチ部分です。右側にはシマトネリコのある庭が広がります。アプローチ部は屋根があるため、雨の日の子供の遊び場となることも意識して設計しました。突き当たり左には納戸に続く引き戸が設けられているため、コートやスーツケース、自転車や傘などはメインの生活空間に入ることなく収納が可能です。

 
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下の写真が納戸です。まだ仕上げの塗装が塗られていないため、ラワン合板の素地になりますが、とてもいい雰囲気です。床のコンクリートの土間はこれからの工程ですね。奥には傘や濡れたコートなどを一旦かけておけられるようなハンガーパイプを設けました。小さな自転車も引っ掛けられます。

 
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玄関隣にはすぐにキッチンがあります。買い物の荷物は納戸で日用品・雑貨類を収納し、玄関入ってすぐ横のキッチンにて食料品などを収納できるよう最短距離の動線で設計しています。キッチンはこれから家具が入り、キッチンらしくなる予定です。突き当たり曇りガラスの奥には書斎があり、在宅ワークができる空間となっています。

 
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2階の部屋は将来の子供部屋です。2部屋に区切れるようにクローゼットは2つ、リビング・ダイニングの吹き抜け空間への窓も2つ設けてあります。ハイサイドライトのない奥側には天窓を設けました。こちらの天窓はキッチンの天窓同様壁についたスイッチで開閉可能です。この部屋は子供部屋という枠に囚われず、ファミリールーム、ゲストルーム、趣味の部屋、など、子供部屋が必要になる前も、成長して出て行ったあとにも、どんな用途でも柔軟に対応できるよう設計いたしました。

 
 

リビングから2階寝室の箱を見上げた時の写真です。2階壁の穴には同じ木材で作られた建具が入ります。閉めている時は壁の一部に見えるように設計しています。階段横は水周りゾーン。減額調整のため在来工法の浴室は可能とはなりませんでしたが、ユニットバスの壁を一面ガラスにしたのでそれなりの開放感があるのではないかと期待しています。そのご紹介はまた後日。

 
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毎週現場にて定例があるのですが、そのたびに感動があり、その感動を共有するため現場から帰り次第すぐに写真をお施主様にお送りしています。そんなことをしたら現場に行った時の感動が薄れるのでは?と思われるかもしれません。しかし、ご安心ください。写真では本当の意味で建築を語ることができません。写真は所詮写真。建築は身体で、皮膚で、目で、鼻で、口で、耳で感じて始めてその良さがわかるものです。だから、どんなに写真を送っても、実際に訪問した時の感動が薄れることはないと思っています。特にこんなダイナミックな設計でしたらね・・・

製作ダイニングテーブル

現在工事中のH邸はLDKがとても広く、天井が吹き抜けとなっているため、バランスを崩さないようにそのスケール感に見合った家具を入れる予定です。ダイニングテーブルは弊社で設計、長さ2.4mとして、E&Yさんに製作していただくことになりました。当初のテーブル設計はキッチンの壁に貼るタイルと同じタイルを利用し、テーブルランナーとして埋め込み、キッチンとの視覚的な統一感を表現する予定でした。

 
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しかし、時間が経ち、お施主様が平滑なテーブルを希望されたので、現在はタイルのないバージョンとなっています。タイルあるにせよなしにせよ、床材と同じオークで作られるこのテーブルは時代の流れやトレンドに左右されない普遍性、そして、シンプルであるからこその美しさを兼ね備えていると思います。こういう家具ってありそうでないんですよね。造作家具はシナで作られ、壁の一部はインテリアラーチ合板となるため、その薄い色味の中に浮かぶ表情豊かなオークのダイニングテーブルとなることを期待しています。

玄関の横に納戸

現在工事中のH邸にはいろいろなアイディアが詰まっているのですが、その中でも個人的に羨ましい部屋があります。それは納戸なのですが、玄関とは別に入り口が設けてあり、納戸からも家に入ることができるため、例えば雨の日に納戸で濡れたコートと泥のついた靴を脱いでから家に入る、トイレットペーパーやおむつなどの消耗品を棚に収納してから家に入る、大切な自転車を壁にかけて保管するなど、活用法がたくさんある実用的な部屋です。

 
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上記のスケッチは基本設計当初の案。お施主様からのご要望で折りたたみ式の机を取り入れたり、減額調整の一環でハンガーラックは弊社製作のものに変更したりしていますが、部屋のプロポーションなどは特に変更なくこの通りになっています。ものすごく背高のっぽの部屋。設計者がいうのも変ですが、不思議なスケール感のある部屋です。下の写真は先週の現場の写真になります。

 
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そして今週は棚が入っていました。棚の芯材が壁の後ろまで差し込む仕様になっています。壁の一部に石膏ボードも貼られていますが、この上に仕上げ材としてラワン合板を貼ります。この部屋は天井も含めラワン貼りになります。

 
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紙の上だけに存在した縮尺図が実際に実寸で3次元の形となるプロセスは感動以外の言葉で表現できません。夢にも出てくるほどなんどもなんども同じところを考えるプロセスを繰り返して設計に至っているため、その設計や詳細が美しく施行され、思っていた通りのいイメージとなる時、この上ない喜びを感じます。

プチ工事

灯台の家(自邸)は竣工から3年経ち、プチ工事をコロナ禍の真っ只中にしております。この記事で紹介するのはキッチンのカウンターをよりすっきり見せるためにしたプチ工事について。キッチンは料理をすればするほど、気がついたら「モノ」で溢れかえり、ごちゃごちゃ感が否めない空間。我がキッチンカウンターはどんなに片付けても下写真の状態が精一杯でした。

 
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「モノ」が多くあることが悪いというわけではなく、その「モノ」自体に愛着を感じるか、その「モノ」を使う自分の生活にときめきを感じるかという観点で考えることにしています。キッチンヘビーユーザーとしては全く「モノ」を置かないキッチンカウンターはほぼ不可能なので生活感のない空間を目指しているわけではありません。私の場合は、なんちゃって乾燥ラックとブリタのフィルターを見るたびに気分が沈んだため、この2点を改善しなければならないと常日頃考えていました。

 
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ビルトイン浄水器は新築に入れたかったアイテムの一つだったのですが予算がなかったため諦めました。致し方なくブリタの浄水器ポットを3年間利用してきたのですが、今回奮発して浄水器の中でも最高峰と言われるシーガルフォーとグローエの水栓を入れることに!シンプルにまとめるために原水と浄水を一つの水栓から出す一体型のものを選びました。これで一つ問題が解決!ブリタポットよ!さようなら!そして今までありがとう!

 
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次にラックの問題は真鍮のタオル掛けを吊り棚に下向きに取り付けてDIYで解決致しました。真鍮はここ数年気になっている材料。使い込めば使い込むほど味わいが出てくるのでいつか真鍮だらけの家を設計したいですね。フックも真鍮で揃えました。こちらの真鍮アイテムはFUTAGAMIというブランドのもので一つ一つが手作りで表情がとても豊かです。

 
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下の写真がプチ工事後の全体写真です。最終的には自己満足でしかないかもしれないのですが、キッチンカウンターに置かれた一つ一つの「モノ」に対して愛着を感じることで、キッチンにいる時の気分が劇的に変化しました。よだれ掛けを洗ってラックに干すたびに真鍮独特の鈍い光にうっとりし、コップ一杯の水を飲むたびにその美味しさと便利さに喜びを感じる。プチ幸せの積み重ねが大きな幸せにつながると信じています。外出自粛の生活は制限されることが多々あるのですが、その中で自分なりに家での生活に小さな喜びを見つけられるよう少しずつ家の中を改善させています。

 
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弊社のコロナ対策

東京のコロナ感染者数は連日低く、そろそろ大丈夫かな?と安易に考えてしまいがちですが、ここで気を緩んでしまったら今までの努力と我慢は水の泡。よって当分は油断禁物になりそうですね。弊社は4月初めから柔軟にコロナ対策しております。おちびさんの登園自粛のため(世田谷区では医療従事者等の両親を持つ子供達以外は基本登園自粛をお願いされています)おちびさん対応で1番苦労しております(苦笑)。この方がいてしまっては仕事が仕事にならないため、かなり勤務時間を減らして旦那さんと協力してなんとかやっています。小さなお子様のいらっしゃる家庭はどこもみんな大変そうでうちも例外ではありませんが、これ以上コロナの犠牲者を増やさないためにも我々ができることをしています。

 
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可能な限り、仕事のやりとりはメール、電話、ネット会議でさせて頂いております。下の写真はH邸のお施主様とのネット打ち合わせの様子です。コンセント、照明のスイッチ、そのほかの制御盤(天窓・給湯器・床暖等)の位置を一つ一つ確認するために設けました。私の画面を共有する事で参加者全員が同じ画面を見ることが出来ます。現場でするのが理想的ですがお施主様にも小さなお子様がいらっしゃるため、お二人揃って詳細を話し合う時間を調整するのは非常に難しく、今回のネット打ち合わせは非常に合理的、かつ、効率的でした。結局この週末には現場に来ていただく事になりましたが、滞在時間を大幅に短縮できたため感染のリスクも減ったと考えております。

 
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コンセントの位置を失敗すると延長コードがビヨーンと目立つ空間になってしまったり、使い勝手が非常に悪くなるため、弊社では想像力をフル稼働させ様々な用途を想定して位置を仮決めをしたあと、御施主様との打ち合わせで最終決定いたします。また、スイッチ、コンセントプレートの配置にもセンスが問われるため、ここは気を抜くことができません。下写真の壁はスイッチやコンセントがてんこ盛りであるため、御施主様から同意を頂いた内容を変更せず、一番綺麗なレイアウトに修正してから現場に指示を出しました。よって最終系はこちらにはなりません。よりいいものになります。

 
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H邸工事は一気に進んでおります。明日、明後日はウレタン吹き付け工事。竣工はまだまだ先ですが、出来上がりがとても楽しみです。そしてこのブログにてこだわりポイントなどをご紹介できたらいいなと思っています。

 

小さな変化

コロナの影響で外出自粛の毎日が続きますね。起きて、食べて、寝て、の繰り返しの中、少しでも変化のある1日であって欲しいと願ってしまいます。そんな中、私は植栽が見せてくれるほんの少しの表情の変化に日々癒されています。グラシリスメモリアという名のホヤは最近急成長。夏には赤い花が咲きますと言われていたのですが、夏が始まる前にミステリアスなお花が咲き始めました。

 
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本当に不思議な植物。こんなお花になるとは想像もつきませんでした。色も形も何もかもが私が思い描いていた「赤い花」ではありませんでした。しかし、その意外性に新鮮さと斬新さを感じ、毎日楽しく観賞しています。

 
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また、スイートバジルの固定種の種を手に入れたので育て始めました。いつ芽が出てくるのか楽しみです。と、思いきや、、、

 
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おおおお!!!!息子よ!やめてくれー!!!!やり直しになりました。

ショックですが、種はたくさんあるので気を取り直してバジルを植え直し、発芽を気長に待ちます。早くマイバジルでジェノベーゼパスタを食べたいです。外出自粛にガーデニングはとても人気があるみたいですが、ホームセンターはまるでテーマパークのような混雑になっていると聞きます。地元の花屋の経営を支えるという意味でもこんな時は可能な限り近くのお花屋さんで人がいない時にパッパッパと購入するのがいいかもですね。いろいろな意味で調整が必要となる外出自粛の日々をどうやって楽しく過ごせるか、どうやったらよりポジティブになれるか、常に考えて毎日を過ごしております。みなさまもどうか、手洗いを徹底して健康にお過ごしください。

 
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H邸 建て方 

先週はH邸の建て方でした。建て方とは一般的には棟上げと言われているプロセスで、構造の部材が組み立てられ、家の枠組が完成する工程です。2次元の設計が3次元の形として生まれ変わる、建築家として待ちに待った日。そして改めて日本の高度な木造建築の技術と棟梁を含め大工の腕に脱帽。居間は想像どおり大きくて開放的でとても気持ちのいい空間となっていました。これから詳細を詰めてシンプルで洗練されたものに仕上げていきます!

 
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今週はお施主様にも見ていただきました。居間の大空間の上には2階の寝室がせり出し浮いた箱のようになる予定です。お施主様より「ワクワクしてきました」と言われたのがとても嬉しかったです。

 
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H邸 配筋検査

月曜日はH邸の配筋検査でした。配筋検査ではコンクリートの基礎の中にどんな骨組み(鉄筋)が入っているかを構造図面と照らし合わせながら、確認する作業です。コンクリートは一度打設をしてしまうと中が全く分からないため、この検査はかなり重要。鉄筋からコンクリートの枠までの距離が最低30あるか確認したり、鉄筋がどのくらいのピッチで入っているか、鉄筋の継目はどのくらいの長さがオーバーラップしているか等を確認したりします。

 
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鉄筋はとても美しく入っていました。特に問題はないため、今日は無事打設しています。来週には立ち上がり部分の打設があります。こうやって少しずつ工事が進んでいく様子を見るのは建築家にとって嬉しくてたまりません。こんな機会をくださったお施主様、素晴らしい工事をしてくださっている工事のみなさまには感謝の気持ちしかないですね!コロナの影響で今後工事がどのように影響されるか心配ですが、前に進められるだけ進めるしかないです!

 
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観葉植物

先月のことになりますが、念願のSOLSOFARMに行きました。SOLSOFARMとは私の勝手なる解釈で別名、「植栽出会いスポット」。とにかくいろんな植栽がところ構わず置かれてあって、1日あっても足りないくらい。街のお花屋さんでは出会えないような出会いがあると思います。私の場合、深く考えずにインスピレーションで選ぶのですが、今回はこちらの6種類の植栽達と一緒に帰りました。これから長い間私達と共に生活をするこの子達は私にとって家族の一員です。どうぞ宜しくお願いいたします。

 
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現在進行中のH邸のお施主様は庭にレモンの木を植えたいと仰っていました。SOLSO FARMで立派なメイヤーレモンの木が売りに出されていたので、竣工間近に一緒に遊びに行けたらいいなと思っています。こちらのレモンの木、あまりにも立派なので、お値段も10万円とたいそう立派でした。新しい家にはすでに立派に育っているものよりも小さい苗木を植えて家族と一緒に育てる方が楽しいと思うため、小さいレモンの木を引き続き探していこうと思います。

 
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H邸 地鎮祭

昨日は2月13日。友引。建築吉日の「成る」の日で、とても縁起の良い日。午前中はしとしとと雨が降っていましたが、午後には嘘のように空が晴れ渡り、絶好の地鎮祭日和となりました。弊社からは八海山と開運の一升瓶を2本括りで!お施主様にとっては人生初の地鎮祭。工務店は丁寧に地縄を貼ってくれてブルーシートはまるでレッドカーペットのよう。気分はまるでセレブでした。

 
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式典が始まりました。神様をお呼びする神主の声がどこの俳優だろうかと言うくらい大きな声でとても静かな住宅街にその雄叫びが響き渡り、ご近所様も覗き見してしまうほど。ハイライトである地鎮の儀では建築家の私が「刈り初め」の儀、お施主様が「穿ち初め(うがちぞめ)」の儀、そして最後に工務店が「堀染め」の儀を執り行います。えい!えい!えい!って気合いの声を入れるのですが、それはカタカタの「エイ!」ではなく、「栄!」らしいです。お子様も参加することができて、とてもいい思い出になったのではないでしょうか。

 
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一番印象に残ったことは黄色い蝶々が途中から参加して祝福してくれたこと。暖かい空気の中、神主の声が響き渡り、蝶々が舞っている様子は一生忘れることはないと思います。どうか、H邸の工事が滞りなく進み、そしてお施主様ファミリーにとっての最高の家となります様に。心から祈っております。


KRD Nihombashi 

1年半ほど前に協力させていただいたSHIP ARCHITECTSの作品、KRD Nihombashiをこのブログで紹介しようと思います。弊社やSHIP ARCHITECTSのように小さな事務所は、複数のプロジェクトの現場、プレゼ、実施図面提出などが重なると徹夜が続き、精神的に肉体的にボロボロになってしまうことがあります。そんな時、キャドなどの職場環境を統一させることでお互いを助け合うことのできる体制を弊社とSHIPの間で構築しています。KRD Nihombashiの現場は怒涛の現場だったため、SHIPよりSOSが発信!弊社がお手伝いすることになりました。

KRD NIhombashiは一般的にいう人間ドッグの最新版です。健康への第一歩は、自分のカラダが傾いていることを知ることから始まる、そして、その傾きを知ることはカラダの現状を把握すること。カラダのわずかな傾きが真っ先に現れる、歯 (口腔環境) と目、血液に焦点を合わせた健診を行っているそうです。下の写真は「歯」の健診をする診察室と「Why:なぜ、そして、How:どうやって健康になるか」をテーマにしたライブラリーが写っています。

 
写真:矢野紀行

写真:矢野紀行

 

ロビーではSHIP ARCHITECTSE&Yが作った家具が並べられています。とても居心地がよくホテルのロビーにでもきたかしらと錯覚に陥ります。いえいえ、ここは人間ドックですよ・・・

 
写真:矢野紀行

写真:矢野紀行

 

弊社は黒スチールで出来たライブラリー棚、洗口スペース、診察室の棚、など製作家具の図面と展開図をメインに手伝いました。下のような図面やスケッチをひたすら何十枚も書くと言う作業です。提案したディスペンサーは結局実現しませんでしたが、その他はほぼほぼ図面通り。2次元のものが3次元になる時の喜びです。見える場所に余計な線を入れず、ティッシュの交換とゴミの回収をどうするかを考えるのが楽しかったこと覚えています。

 

写真:矢野紀行 その他:©SHIP ARCHITECTS + MARU.CHI

 

©SHIP ARCHITECTS + MARU.CHI

 

KRD Nihombashiをお手伝いした期間はとても短かったのですが、かなり濃密な数ヶ月となりました。大規模な内装の物件をしたことがない弊社としてはかなり貴重な経験です。弊社のプロジェクトリストにもアップしようと思います!

2020年、明けましておめでとうございます

今日から弊社は初仕事。2018年はゆっくりスピードでのスタートだったのですが、今年はもう少し速度を上げて進める予定です。今年の弊社の目標は少しでもレンダリングの技術をあげること。手描きでは表現できない材料の質感、透明感などをお施主様にうまく伝えるツールがあると、仕事の内容に多様さが生まれるかなと期待しています。今年はH邸の現場が始まります。ブログでいろいろと発信していく予定なので、家作りに興味のある方は是非お立ち寄りください。本年も何卒宜しくお願いいたします。

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H邸工事請負契約に至りました!

2018年の8月からいただいていたお話が先週末工事請負契約に至りました。感無量です。10日違いで私と同じ時期に出産予定だったお施主様は同じ女性という立場から、そして旦那様は妊娠・出産・子育てをサポートする男性としての立場から、私の状況を理解してくださり、出産後まで基本設計スタートを待ってくださいました。設計は何度も大きな変更を遂げたし、減額調整では大きく窓に対する意識を変えなくてはならなかったのですが、最終的にはお施主様ファミリーにとって一番いい案に落ち着いたのでないかと自負しております。来年はブログで詳細を追っていく予定です。みなさまにも家づくりの楽しみをたくさん発信していければと考えております。

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弊社ではお施主様の思いやご要望を具体的な形に致します。お施主様の想像を遥かに超える価値を生み出す建築を作ることを目標としています。弊社は戸建住宅に特化しているわけではなく、店舗設計、共同住宅設計、リノベ、なんでもいたしますので建築家に頼みたい設計がございましたら気軽に御相談くださいませ。夢を語っていただければその夢に近づけるよう尽力いたします。

減額調整・弊社施工

H邸は3社から見積もりが返ってきたのですが、3社とも弊社の想像をはるかに上回る金額だったため、この数週間は減額調整の戦いに挑んでいました。延べ床面積を減らせば、減額に繋がるのは当たり前のことですが、どのお部屋もお施主様の生活にとって必要不可欠であることはやりとりの中で感じていたたため、面積やボリュームをいじらないと宣言した上での試みとなりました。減額調整は建築の良さを失わずに金額を下げていくプロセスです。建築のコンセプトを改めて問い直すいい機会としてポジティブに捉え、「よりいいものを作るぞ!」と意気込んで取り組む様にしています。

今回は減額調整の一環として「弊社で施工いたします!実費だけください!」と言う項目を1箇所作りました。本当は全てをプロに作ってもらうことが理想的なので、 DIYの延長のような弊社施工は普段人の目につかないところ、もしくは小さいパーツにすることにしています。「風通しのいい家」では戸当たりや取っ手などを皮で製作しました。今回は納戸の製作ハンガーパイプを弊社施工にすることにしました。見積もり図面ではスチールパイプをL字に折り曲げて壁と天井で支える仕様にしていたのですが見積もりでは5万円から10万円の金額が入っていたので、ここはどうにかしないと・・・と思案を巡らせたのです。ちなみにこちらのハンガーパイプはシーズンオフの洋服・コートなどをかけていただくために設けています。物量でどのくらいのお洋服を持っていらっしゃるか測量したため、これをなくすわけにはいきません。

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弊社がスチールパイプで作ることはできないため、今回はロープと木の棒で作ることにしました。現在実験中。こちらは1段ですが、H邸に入れるものは3.5mの天高を利用して2段仕様にする予定です。ゆらゆら揺れるのがデメリットですが、数万円減額できること、木とロープの雰囲気がとてもいいこと、などメリットもたくさんあります。ほんの小さな違いではあるのですが、部分的に弊社施工にすることでオリジナリティ溢れる詳細が生まれ、より家に愛着を感じて頂けたらと思うところです。余談ですが、ロープの結び方は何十通りとあり、かなり奥が深いと初めて知りました。動画を見ながらいろいろな結び方にチャレンジしています。

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