キッチンの引き出し

キッチンの引き出しの取手について、最近いろいろと思うことがあったので投稿いたします。

私の自邸では左下の写真のようにコの字の取手が各々の引き出しについています。下の図で行くと左。それはそれで素敵なのですが、たまに取手が邪魔と思う時もあり、現在工事中のH邸では取手をつけない仕様で進めております。引き出し扉の上端を斜めにすることで指を入れやすくするのが一般的な方法で下図の真ん中のようになるのですが、この一般的な方法にはとんでもない落とし穴があることに気がつきました。有効寸法が減るのです!青い部分が枠に追加されるため、下図の例だと295あった有効寸法が250にまで減ってしまいます。青い部分をつけない方法もありますが、そうなると引き出しの中が丸見え。うーん。

200910_キッチン引き出し.jpg

キッチンヘビーユーザーの私としては4.5センチの有効高さの違いはかなり致命的であり、お施主様が料理をなさらない方ならまだしも、一般的なやり方を到底許容することはできず、最終的には右図(右下)の収まりで解決させました。少しお値段はアップいたしましたが、この方法だと取手金物もいらないし、中身も見えないし、有効高さを十分に確保できる!キッチンは毎日使う場所です。引き出し取手のあり方一つでさえも緊張感を持って設計をしなくてはいけないですね!

 
200910_キッチン引き出し3.JPG
200910_キッチン引き出し2.JPG

プチ工事

灯台の家(自邸)は竣工から3年経ち、プチ工事をコロナ禍の真っ只中にしております。この記事で紹介するのはキッチンのカウンターをよりすっきり見せるためにしたプチ工事について。キッチンは料理をすればするほど、気がついたら「モノ」で溢れかえり、ごちゃごちゃ感が否めない空間。我がキッチンカウンターはどんなに片付けても下写真の状態が精一杯でした。

 
200528_01.JPG
 

「モノ」が多くあることが悪いというわけではなく、その「モノ」自体に愛着を感じるか、その「モノ」を使う自分の生活にときめきを感じるかという観点で考えることにしています。キッチンヘビーユーザーとしては全く「モノ」を置かないキッチンカウンターはほぼ不可能なので生活感のない空間を目指しているわけではありません。私の場合は、なんちゃって乾燥ラックとブリタのフィルターを見るたびに気分が沈んだため、この2点を改善しなければならないと常日頃考えていました。

 
200528_02.jpg
 

ビルトイン浄水器は新築に入れたかったアイテムの一つだったのですが予算がなかったため諦めました。致し方なくブリタの浄水器ポットを3年間利用してきたのですが、今回奮発して浄水器の中でも最高峰と言われるシーガルフォーとグローエの水栓を入れることに!シンプルにまとめるために原水と浄水を一つの水栓から出す一体型のものを選びました。これで一つ問題が解決!ブリタポットよ!さようなら!そして今までありがとう!

 
200528_03.jpg
 

次にラックの問題は真鍮のタオル掛けを吊り棚に下向きに取り付けてDIYで解決致しました。真鍮はここ数年気になっている材料。使い込めば使い込むほど味わいが出てくるのでいつか真鍮だらけの家を設計したいですね。フックも真鍮で揃えました。こちらの真鍮アイテムはFUTAGAMIというブランドのもので一つ一つが手作りで表情がとても豊かです。

 
200528_07.jpg
200528_04.jpg
 

下の写真がプチ工事後の全体写真です。最終的には自己満足でしかないかもしれないのですが、キッチンカウンターに置かれた一つ一つの「モノ」に対して愛着を感じることで、キッチンにいる時の気分が劇的に変化しました。よだれ掛けを洗ってラックに干すたびに真鍮独特の鈍い光にうっとりし、コップ一杯の水を飲むたびにその美味しさと便利さに喜びを感じる。プチ幸せの積み重ねが大きな幸せにつながると信じています。外出自粛の生活は制限されることが多々あるのですが、その中で自分なりに家での生活に小さな喜びを見つけられるよう少しずつ家の中を改善させています。

 
200528_05.jpg