減額調整・弊社施工

H邸は3社から見積もりが返ってきたのですが、3社とも弊社の想像をはるかに上回る金額だったため、この数週間は減額調整の戦いに挑んでいました。延べ床面積を減らせば、減額に繋がるのは当たり前のことですが、どのお部屋もお施主様の生活にとって必要不可欠であることはやりとりの中で感じていたたため、面積やボリュームをいじらないと宣言した上での試みとなりました。減額調整は建築の良さを失わずに金額を下げていくプロセスです。建築のコンセプトを改めて問い直すいい機会としてポジティブに捉え、「よりいいものを作るぞ!」と意気込んで取り組む様にしています。

今回は減額調整の一環として「弊社で施工いたします!実費だけください!」と言う項目を1箇所作りました。本当は全てをプロに作ってもらうことが理想的なので、 DIYの延長のような弊社施工は普段人の目につかないところ、もしくは小さいパーツにすることにしています。「風通しのいい家」では戸当たりや取っ手などを皮で製作しました。今回は納戸の製作ハンガーパイプを弊社施工にすることにしました。見積もり図面ではスチールパイプをL字に折り曲げて壁と天井で支える仕様にしていたのですが見積もりでは5万円から10万円の金額が入っていたので、ここはどうにかしないと・・・と思案を巡らせたのです。ちなみにこちらのハンガーパイプはシーズンオフの洋服・コートなどをかけていただくために設けています。物量でどのくらいのお洋服を持っていらっしゃるか測量したため、これをなくすわけにはいきません。

191119_ハンガーロッド.jpeg

弊社がスチールパイプで作ることはできないため、今回はロープと木の棒で作ることにしました。現在実験中。こちらは1段ですが、H邸に入れるものは3.5mの天高を利用して2段仕様にする予定です。ゆらゆら揺れるのがデメリットですが、数万円減額できること、木とロープの雰囲気がとてもいいこと、などメリットもたくさんあります。ほんの小さな違いではあるのですが、部分的に弊社施工にすることでオリジナリティ溢れる詳細が生まれ、より家に愛着を感じて頂けたらと思うところです。余談ですが、ロープの結び方は何十通りとあり、かなり奥が深いと初めて知りました。動画を見ながらいろいろな結び方にチャレンジしています。

191119_ハンガーロッド 2.jpeg