コロナのおかげで道が面白くなりました
コロナは我々の日常生活に大きく影響を及ぼし、その変化の多くは否定的な意味合いの言葉で表現されがちです。しかし、在宅勤務による効率化、クレジットカードの普及、サービスのデジタル化、出前アプリの充実化などをはじめ、ポジティブな変化もあることを忘れてはなりません。そのポジティブな変化の一つを遥々遠く、アメリカはカルフォルニア州のパロアルトと言う町で見つけました。日本でも多少は見られる変化なのかもしれないのですが、さすがはアメリカ。とにかく大胆にわかりやすくやってくれるため、その恩恵は街ゆく誰もが感じるものとなっています。コロナ禍で悪戦苦闘するレストラン産業への救済策として、そして利用者がより安心して外食を楽しめるようにとパロアルトの街では普段縦列駐車に使われる道路の一部を簡易な手続きさえ済ませればレストランが飲食を提供するダイニングエリアとして利用してもいいということになっています。歩道を歩くと楽しそうな会話が聞こえたり、美味しそうなお食事を覗き込むことができたりと、なぜかレストランを利用していない通行人までもが不思議と楽しい気持ちになります。
こちらの道路は一部を完全に閉鎖して歩行者天国にしています。両側のレストランが思い思いの椅子とテーブルを並べ、道を活性化し、コロナ禍で塞ぎがちな気持ちを明るく前向きにさせてくれます。街全体が外食産業を応援している姿は見ていて気持ちがいいですね。
コロナが心配だけど、屋外での飲食なら安心かも!そして雰囲気も良ければついつい一杯、いや、お食事?したくなりますよね。この救済策ですが、実はコロナが始まった年、2020年の夏には至る所で簡易な工事が始まったそうです。縦列駐車スペースの確保よりも、道の活性化、レストラン産業の救済を先に考え決断を下したアメリカの地方自治体に、なんというか、逞しさと羨ましさを感じます。日本は道が狭いからこういう案が出てこないのか?それとも難しいと言って行動に移さないだけなのか。室内での飲食は感染率を高めるので外食を控えている人は多いはず。日本でも実験的にオープンエアダイニングを可能にするエリアを作って外食しやすい環境、街を活性化させる策を考えて頂きたいと切に思います。どの駅前にも商店街がありますが、商店街全体的を歩行者天国にして、至る所に椅子とテーブルをセンスよく配置したら、案外日本でも面白いニューノーマルが生まれるのではないかと想像してしまいます。