宮脇綾子の芸術展

新年のご挨拶もなく、突然ではありますが、今日は是非みなさまに足を運んでいただきたい展示についての紹介になります!

宮脇綾子という芸術家をご存知でしょうか?アップリケ作家と勝手に肩書きをつけたり、美術の教科書に載ってるかもと説明したら「あれ?知ってるかも?」と思われる方も多いのではないでしょうか。実は誰しもが彼女の作品、もしくは彼女の作品を模倣した作品を見て育ったと言っても過言ではないほど、彼女の作品は日本の生活に馴染みのあるものです。アップリケというと主婦の趣味程度と格付けする人も多いので語弊を招きます。宮脇綾子はアップリケ作家ではありません。手芸作家でも、コラージュ作家でもない。どんな技法も自分のオリジナルで作り上げていくので、どの肩書きにも枠にもはまらないのです。そんな彼女の芸術作品を美術の視点から分析、再検証して、彼女の芸術性の魅力をより深く理解できるように工夫された展示となっています。宮脇綾子の作品と言葉は深い情熱と愛情とユーモアに溢れ、展示を離れる頃には、訪問者の気持ちがほっこりとしている、そして何故か微笑んでいると気が付くのです。

展示:宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った
場所:東京ステーションギャラリー
開催期間:2025年1月25日〜3月16日
休館日:月曜日(ただし、2/24,3/10は開館)、2/25(火)
開館時間:10:00-18:00(金曜日は20:00まで)

 
 
 
 

実は「丘の家」のお施主様は宮脇綾子の孫でいらっしゃり、宮脇綾子が残した膨大な作品の多くを管理していらっしゃいます。彼が亡きおばあちゃんのために何度も丸の内に足を運び、そしてギャラリーに協力をしたことを知っていたので、今回の展示は心から楽しみにしていたのですが、その内容は私の想像をはるかに超え、美しく、繊細で、力強く、優しく、女性として、人間として、学びの多いものでありました。

お施主様におばあさまのDNAを引き継いでるから骨董品屋(ミヤワキモダン)というお仕事をされているのではないですか。とお聞きしたところ、笑いながらそんなことはない!と仰っていました。でも、私には、大切に集めたボロ切れで美しい芸術を作り出した宮脇綾子とフランスのボロ市で見つけるアンティークを愛してやまないお施主様が重なるんですよね。そんなお施主様が幼少期におばあちゃんちにて放った一言がまさか作品のタイトルになるとはお施主様も想像もしなかったでしょうね(笑)。こちらの写真は「あ、おじいちゃんだ!!」という作品です。

 
 
 
 

「丘の家」にはお施主様が集めた数多くのアンティークが飾られています。もしかしたら捨てられていたかもしれないモノや家具が大切に使われているのを見ると、改めて自分の家にある一つ一つのものと対話をしたくなりますね。