桟橋のある家 House with Piers
用途 個人住宅
構造 木造在来工法
規模 地上2階
敷地面積 300.88㎡
建築面積 61.90㎡(カーポート含まず)
延床面積 123.80㎡(カーポート含まず)
設計監理 まる・ち設計 知念里奈
構造設計監理 オーノJAPAN 大野博史 中野勝仁
施工 株式会社 青
竣工年 2024
写真 矢野紀行
Program Residential
Structure Wooden Construction
Floors 2 Floors
Site Area 300.88㎡
Bldg. Footprint 61.90㎡
Overall areas 123.80㎡
Design MARU・CHI /Rina Chinen
Structural Design OHNO JAPAN
Hirofumi Ohno
Katsuhito Nakano
Contractor AO
Year Completed 2024
Photo Credit Noriyuki Yano
「桟橋のある家」は神秘的で鬱蒼とした竹林を背景にした自然豊かな敷地に立つ。この自然豊かな環境で小さい子供達をのびのびと育てたいと強く願う家族のご要望は非常に具体的であった。個室は5つ必要、玄関から汚れた服や靴をスロップシンクと洗濯機で洗いたい、そのままシャワーとお風呂に直行したい、その姿を誰にも見せない動線が欲しい、ゲスト用トイレと浴室は別にしたい、虫は嫌いだから室内で洗濯物を干せる場所が欲しい、大きなデッキはいらない、お風呂から竹林を見たい、大きな車と自転車を数台停めるための屋根付き屋外スペースが欲しい、など。
敷地は旗竿地で竿部分を除いても300㎡はある。南東の敷地境界線には最大2.5mの擁壁があるため、周囲の建物は頭ひとつ分ほど低くなっており、南の光を大いに享受できる土地ではあるが、崖条例により建設可能面積は北西部に追いやられた。設計の自由度は減ったが、その分シンプルに解く方針に考えを切り替えた。
「桟橋のある家」は大きな箱である。道路から見ると箱の手前には遠近法を誇張したような大きなカーポートの屋根があり、訪問者を玄関へ引き寄せる。玄関扉の前には小さな桟橋があり、扉を開けると家族が集う居間が目の前に広がる。奥には大開口を通して大きな庭があり、庭に向けて長い桟橋が突き出ている。庭は引越し後に無花果、夏みかん、金木犀、ブラックベリー、ラベンダー、スタージャスミンなど視覚で楽しむだけではなく、嗅覚、味覚も満たしてくれるような植栽を植える予定である。玄関は小さなマッドルームにも繋がっており、そこからは具体的な御要望に沿った動線となっている。2階に上がると長い廊下があり、西側の鬱蒼とした竹林と東側の近隣の庭の竹に視線が抜けるようになっている。手前の主寝室は必要であれば区切られるような設計としているため、将来的に5つの個室が可能となる。1階のリビングの大開口と同じ幅で2階も大開口を設けて南の光を個室に振り分けている。西の個室は竹林を絵画の様に眺められるように竹林に向けて窓を設けている。